金利の水準 2019 4 7

 時代によって、
金利が高いか低いかという基準が異なるかもしれません。
 昔話をしましょう。
以下の話は、「名目金利」の話であり、
「実質金利」の話をすると、
一般の人には、わかりにくくなるので、省略します。
 私が若者だった時代は、
5%が標準的な金利だったと思います。
 7%になると高金利であり、
「郵便貯金」を扱っていた郵便局へ、
定期預金を申し込む人が殺到したというニュースがありました。
 だから、金利が2.5%となると、
「超低金利」と言われて、
貯金をしていても無駄だから、
企業も個人も「財テク」に走ったものでした。
これが「バブル経済」になった原因でした。
 ただし、バブル経済の時代に、
高騰したのは、株価と地価だけで、
物価は安定していたと聞いたことがあります。
 さて、現代に戻りましょう。
今では、金利が2.5%となると、「高金利」に見えてしまいます。
たとえば、大手銀行の定期預金の金利は、0.010%ぐらいでしょうか。
 しかし、バブル経済の時代のように、
「貯金をしていても無駄だから、
財テクをしよう」という発想にはならないのです。
 今は、デフレの時代だからです。
デフレの時代に、現金は王様となりますので、
金利は気にならなくなるのです。
 なぜ、日本はデフレかと言えば、
少子高齢化という特殊な人口構造があるからです。
 たとえば、スーパーのレジに並んでいるとわかるでしょう。
若者夫婦の買い物かごは、
「そんなに買って食べきれるのか」と思うほどの量ですが、
老人夫婦の買い物かごは、
「健康のためには、もっと食べたほうがよい」と思うほどの量です。
 日本の総人口は変わらないが、
若者が減って、高齢者が増えれば、需要は減ります。
 農家や食品メーカーの供給能力が同じで、
需要が減るということは、デフレを意味します。
 もちろん、農家や食品メーカーの供給能力を減らす、
つまり、リストラをすれば、
供給と需要が釣り合いますので、デフレは起こりませんが、
農家や食品メーカーのリストラは、結果的には、デフレ要因になります。
 さて、先進国で唯一、人口増加が予想されるアメリカは、
デフレは起こらず、インフレがあるのか。
 私は、国債を乱発しない限り、
「アメリカでは、インフレは起こらない」と予想しています。
人口増加があって、好景気のアメリカでは、インフレは起こらないのか。
 現代においては、高度に発達した流通網によって、
インフレは起こらないでしょう。
 この流通網は、アメリカ国内どころか、
全世界を結ぶ「高度に発達した流通網」によって、
インフレは阻止されるでしょう。
おそらく、国境が閉鎖されない限り、インフレは起こらないでしょう。
 しかし、FRBは、こう思うかもしれません。
いや、実質的に、国境は閉鎖されつつある。
トランプ大統領がメキシコとの国境に「壁」を設置するとか、
関税という「経済的な国境」を作りつつあり、
これは、実質的に国境が閉鎖されるようなものなので、
インフレの懸念があると思うかもしれません。































































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